goldeneggs-investment’s diary

初心者や中級者にむけて投資ニュースや個別株について解説していきます。 一緒に「金のたまご」を育てて、 人生100年時代の安心と今から豊かな未来を築きましょう!

なぜバンダイナムコHD(7832)は、玩具事業をIP戦略の「入口」と位置づけるのか?

 

 

 

 

 

 

「たまごっち」は日本の玩具の未来を拓く:バンダイナムコHD(7832)が仕掛けるグローバルファースト戦略の全貌

 

誰もが知る「たまごっち」が、実は日本の玩具業界の未来を映している

バンダイナムコホールディングス(以下、バンダイナムコHD)と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?「機動戦士ガンダム」や「ドラゴンボール」といった不朽の名作から、「ONE PIECE」「呪術廻戦」といった現代のヒット作まで、数々の人気IP(知的財産)を思い浮かべることでしょう。しかし、これらのIPを軸に、今、同社が仕掛ける壮大なグローバル戦略の核心に迫る出来事が起きました。

1996年の発売以来、世界中で愛されてきた「たまごっち」の累計出荷数が1億個を突破しました。さらに、バンダイの竹中一博社長は「開発段階から海外を意識している」と語り、2024年の販売では海外が約半数を占めるまでに成長しました。

投資家の皆さんであれば、「なぜ、このタイミングで『たまごっち』が世界的な成功を収めているのか?」「この成功が、バンダイナムコHD全体のグローバル戦略において、どのような意味を持つのか?」と、その真意を知りたいと思われることでしょう。この記事では、バンダイナムコHDの挑戦を解説していきます。同社の企業セグメントから、玩具事業が担うIP戦略の役割、そして今後の成長戦略まで、掘り下げていきましょう。

 

 

 

 

「IP軸戦略」を掲げるバンダイナムコHDの企業セグメント

バンダイナムコHDのグローバル戦略を理解するためには、まず同社のユニークな事業構造を把握することが不可欠です。同社は、IPを中核に、多岐にわたる事業を展開する「IP軸戦略」を掲げています。事業セグメントは、主に以下の3つのユニットから成り立っています。

 

1. エンターテインメントユニット

  • 事業の根幹: 玩具、デジタルコンテンツ(家庭用ゲーム、モバイルゲーム)、映像音楽、アミューズメント施設など、多岐にわたる事業で構成されます。このユニットが、バンダイナムコHDの売上の大部分を占める、いわば「成長のエンジン」です。

  • 専門的視点: このユニットの最大の強みは、一つのIPを軸に、玩具からゲーム、映像まで、さまざまなエンターテインメントへと展開する力です。例えば、「ガンダム」というIPを軸に、プラモデル(ガンプラ)、ゲーム、アニメ、映画といった多角的な事業を展開し、収益を最大化しています。

 

2. IPプロデュースユニット

  • IPの創出と育成: ガンダムドラゴンボールONE PIECEなど、バンダイナムコHDの最大の強みであるIPを創出し、育て、管理する役割を担っています。

  • 専門的視点: このユニットが、IP軸戦略の核となります。魅力的なIPを創り出し、それをさまざまな事業ユニットへと供給することで、グループ全体の成長を牽引しています。

 

3. アミューズメントユニット

  • 事業のタッチポイント: ゲームセンターの運営など、リアルなエンターテインメントを提供しています。

  • 専門的視点: このユニットは、顧客とIPが直接触れ合う重要な「タッチポイント」としての役割を担っています。

www.bandainamco.co.jp

 

 

 

 

 

なぜ今「グローバルファースト」なのか?:国内市場の成熟と海外市場の成長

バンダイナムコHDが、玩具事業において「開発段階から海外を意識する」という戦略に舵を切った背景には、日本の玩具市場の現状と、世界の市場環境があります。

 

1. 日本市場の成熟

  • 内需の限界: 日本の玩具市場は、少子化の影響もあり、成熟期に入っています。新たな成長ドライバーを見つけることが、企業の持続的な成長にとって不可欠な課題となっています。

 

2. 海外市場の飛躍的な成長

  • 巨大な市場: 一方、欧米やアジアといった海外市場は、日本の人口をはるかに上回る巨大な市場であり、経済成長や可処分所得の増加と共に、エンターテインメントへの需要が拡大しています。

  • 専門的視点: バンダイナムコHDは、この海外市場の成長を取り込むことが、今後の成長戦略の最重要課題であると認識しています。そして、そのための鍵となるのが、「IPのグローバル化」です。

kabutan.jp

 

 

 

 

 

 

「たまごっち」が示すグローバル戦略の成功事例:開発段階から世界を意識する

「たまごっち」の再ブームと、その販売実績は、バンダイナムコHDのグローバルファースト戦略が、すでに大きな成果を上げていることの証明です。

 

1. ローカライゼーション戦略の成功

  • 文化を超えた魅力: 「たまごっち」の成功要因の一つは、国や地域の文化に合わせたローカライゼーションにあります。例えば、欧米市場では、育成要素に加えて、キャラクター同士のコミュニケーション機能を強化するなど、現地のユーザーの嗜好に合わせた製品開発が行われています。

  • 専門的視点: これは、単に製品を翻訳して海外で売るのではなく、ターゲット市場のユーザーのインサイト潜在的なニーズ)を深く理解し、それに合わせた製品を創り出す、高度なマーケティング戦略です。

 

2. デジタルとの融合で広がる世界観

  • IPエコシステムの構築: 「たまごっち」は、本体だけでなく、スマートフォンアプリやオンラインゲームとも連携し、IPの世界観を広げています。

  • 専門的視点: これにより、ユーザーは物理的な玩具だけでなく、デジタルの世界でも「たまごっち」を楽しむことができ、IPに対するエンゲージメント(愛着)が深まります。これは、IPの収益化期間を延ばし、長期的な収益を確保する上で非常に重要な戦略です。

 

 

 

 

 

「モノ売り」から「IPエコシステム」へ:玩具事業が担うバンダイナムコHDの未来

バンダイナムコHDの玩具事業は、もはや単なる「モノ」を売る事業ではありません。それは、IPを創出し、ファンを創り、IPを軸とした「エコシステム」の入口を担う、極めて重要な役割を担っています。

 

1. IPの「孵化」を担う玩具事業

  • 最初のタッチポイント: 「たまごっち」や「ガンプラ」のように、玩具は、ユーザーがIPに初めて触れる重要な「タッチポイント」となります。この最初の体験が、その後のIPへの愛着を育む上で、決定的な役割を果たします。

  • 専門的視点: バンダイナムコHDは、この玩具事業を「IPの卵」を孵化させる場所と位置づけています。ここで成功したIPを、デジタルコンテンツや映像、アミューズメントといった他の事業ユニットへと展開することで、IPの価値を最大化しています。

 

2. 「世界中のファン」を創るグローバル戦略

  • 持続的な成長の鍵: 「たまごっち」が、国境を越えて愛されているように、バンダイナムコHDは、玩具事業を起点に、世界中にファンを創り出すことを目指しています。

  • 専門的視点: これは、単なる売上拡大だけでなく、IPの持続的な成長と、企業のブランド価値向上に繋がります。世界中に熱狂的なファンを持つIPは、企業の揺るぎない競争優位性となります。

 

 

 

 

 

 

バンダイ「たまごっち」開発チームの物語

フィクションのストーリーです。

「たまごっち」の次世代機開発は、私にとって忘れられないプロジェクトになりました。

開発が始まる前、竹中社長から「今回は、最初から海外で売れるものを創ろう。国内で成功してから、海外展開を考える時代は終わった」と力強い言葉がありました。これまでの開発チームは、まず国内市場のトレンドを徹底的に分析していましたが、今回は、開発の初期段階から、アメリカやアジアの市場調査チームと、ビデオ会議で何度も議論を重ねました。

「欧米のユーザーは、キャラクター同士のコミュニケーションを重視する」「アジアでは、見た目の可愛さだけでなく、育成要素の奥深さが重要だ」といった、これまで知らなかったインサイト潜在的なニーズ)が次々と明らかになりました。

デザインや機能について、海外チームと意見がぶつかることもありました。「日本の『たまごっち』らしさを残すべきだ」という意見と、「海外でウケるデザインに変えるべきだ」という意見が対立したこともあります。しかし、私たちは、お互いの意見を尊重し、日本の「たまごっち」の持つアイデンティティと、グローバルなニーズを両立させる、ギリギリのバランスを探し続けました。

そして、ついに海外で発売を迎えたとき、私はSNSで、世界中の子どもたちが「たまごっち」を楽しんでいる姿を見つけました。日本とは違う言語で、違う文化を持つ子どもたちが、夢中で「たまごっち」を育てている。その光景を見たとき、私たちの仕事が、日本の枠を飛び越え、世界中の人々と繋がっていることを実感し、胸が熱くなりました。

 

 

 

 

 

まとめ:バンダイナムコHD(7832)は、IPを軸に世界中のファンを魅了する

バンダイナムコホールディングス(7832)の玩具事業が掲げる「開発段階から海外を意識する」というグローバルファースト戦略は、同社が持つIPという最大の強みを最大限に活かす、非常に合理的で将来性の高い戦略です。

この戦略の核心は、「たまごっち」という誰もが知るIPを起点に、世界中のユーザーのニーズを深く掘り下げ、国境を越えて愛される製品を創り出すことにあります。これにより、同社は、玩具の販売だけでなく、デジタルコンテンツや映像といった多角的な事業へとIPを展開し、長期的な収益を確保することができます。

投資中級者の皆さんにとって、バンダイナムコHDは、既存の強みであるIP軸戦略をさらに進化させ、国内市場の限界を超えて、グローバルな成長を追求する、非常に魅力的な企業です。今回の「たまごっち」の成功は、その戦略がすでに成果を上げていることの証明です。今後の海外展開の動向を注視していくことで、その成長の軌跡を実感できるでしょう。

 

あくまで個人的な見解であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己責任で行ってください。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

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