
大林組(1802)は中東資材不安でも工期を守れるか|断熱材切替が利益率を守る仕組み
中東情勢の長期化を受け、建設現場で一部資材の供給不安が続いています。
大林組(1802)などの共同企業体は、仙台市役所本庁舎の建て替え工事で、1階エントランスホールに使う予定だった断熱材について、当初のメーカーから新規受注停止の通知を受け、別メーカーの製品へ切り替えました。
このニュースを「断熱材が手に入らなかったので別の商品を買った」とだけ読むと、ゼネコン経営で調達が持つ意味を見落とします。建設工事では、資材1品目の遅れが後工程を止め、人員待機、仮設設備の長期使用、設計変更、追加物流費を通じて利益率を押し下げることがあります。
一方、国土交通省の8月調査では、生コンクリート、鋼材、木材など主要7資材13品目の需給はすべて「均衡」、在庫も「普通」でした。現在起きているのは、建設資材全体の一律不足というより、石油化学由来の製品や特定仕様品で生じる選択的なボトルネックです。
大林組の2027年3月期第1四半期は、売上高6,234.29億円、営業利益327億円。単体建築の完成工事総利益率は前年同期の9.5%から11.4%へ改善しました。
この記事では、中東の資材供給不安がゼネコンの利益へ届く経路、メーカー切替・工程変更・前倒し発注のコスト、公共工事と民間工事の違い、そして大林組の利益率を追ううえで次に見るべきKPIを整理します。
- 大林組(1802)は中東資材不安でも工期を守れるか|断熱材切替が利益率を守る仕組み
- 仙台市役所工事で断熱材メーカーを切り替えた
- 8月の主要資材は「均衡」でも、工事は特定品目で止まり得る
- 一つの資材遅延がゼネコン利益を削る5つの経路
- メーカー切替・工程変更・前倒し発注は「無料の防災」ではない
- 公共工事と民間工事では、追加費用を回収できる条件が違う
- 大林組は第1四半期営業利益2倍、建築利益率も改善
- 大林組の強みは「安く買う力」より代替案を承認まで通す力
- 工期を守ったことは「上振れ利益」ではなく損失回避かもしれない
- 中東資材不安への強気シナリオが崩れる5つの条件
- 次の決算で確認したい6つのKPI
- まとめ|ゼネコンの調達力は「資材を安く買う力」から「工期を買う力」へ
- 主な参考資料
仙台市役所工事で断熱材メーカーを切り替えた
仙台市役所本庁舎整備第1期建築工事は、大林組、鉄建建設、仙建工業、深松組による共同企業体が施工しています。
仙台市によると、新本庁舎の建設工事は2024年11月に本格着手しました。複数年にわたる大規模な公共建築工事です。
日本経済新聞の報道では、1階エントランスホールで採用予定だった断熱材について、メーカーから2026年4月に新規受注停止の通知が届きました。
共同企業体は別メーカーの製品へ切り替え、工期を維持するための対応を進めています。
ここで重要なのは、代替品を見つければ即座に施工できるとは限らないことです。
断熱材には熱性能だけでなく、防火・耐火性能、厚さ、施工方法、下地や仕上げ材との組み合わせなど、設計上の条件があります。製品変更によって建築確認や各種認定との整合性を確かめ、設計者、発注者、施工者の間で承認を取る必要が生じる場合があります。
そのためメーカー切替は購買部門だけの仕事ではありません。設計、調達、施工、品質管理、発注者との協議を同時に動かすプロジェクト管理です。
切替対象のメーカー名・製品名は確認できない
提供された記事抜粋では、仙台市役所工事で当初採用予定だったメーカー名と製品名は明らかになっていません。
2026年春には複数の建材メーカーが、中東情勢によるナフサなど石油化学原料の調達不安を公表しました。旭化成建材も一部断熱材の受注を停止し、8月3日から「ネオマフォーム」などの受注を再開しています。
ただし、一部サイズと「ネオマゼウス」は引き続き受注停止で、再開対象製品も納期回答や納品まで時間を要する状況でした。
これは業界全体の供給状況を理解する参考事例ですが、仙台市役所で切り替えた製品が旭化成建材製だったと断定できる資料は確認できません。
8月の主要資材は「均衡」でも、工事は特定品目で止まり得る
国土交通省が2026年8月1~5日に実施した調査では、生コンクリート、鋼材、木材など主要7資材13品目について、需給はすべて「均衡」、在庫はすべて「普通」でした。
価格もH形鋼が「やや上昇」、それ以外は前月比「横ばい」です。
この結果だけを見ると、中東情勢による建設資材問題は解消したようにも見えます。
しかし、この調査は建設現場で使うすべての製品を網羅するものではありません。断熱材、塗料、接着剤、シーリング材、設備部材など、特定の原料・メーカー・認定仕様へ依存する製品は別に確認する必要があります。
4月にはTOTOも、原油・ナフサをはじめとする石油化学基礎原料の供給環境が急速に悪化し、状況によっては製品の受注調整や制限を行う可能性があると公表しました。
その後、代替調達や輸入、製品ごとの受注再開で状況は改善しています。それでも、すべての製品・仕様・納期が地政学リスク発生前の状態へ戻ったわけではありません。
現在のリスクは「鉄もコンクリートも全国で一斉に消える」ことではなく、工事ごとに異なる重要資材がピンポイントで欠けることです。
金額の小さい資材でも工程上は重要になる
建物の総工費に占める断熱材の金額が小さくても、その資材を施工しなければ壁や天井を閉じられず、仕上げや設備工事へ進めない場合があります。
資材の購入金額と、工期へ与える影響の大きさは一致しません。
投資家が確認すべきなのは、どの資材が何%値上がりしたかだけではなく、その資材が工事の「クリティカルパス」に入っているかです。
一つの資材遅延がゼネコン利益を削る5つの経路
資材供給不安がゼネコンの利益へ与える影響は、仕入価格の上昇だけではありません。
1.代替品の購入価格と緊急物流費
短納期で確保できる製品へ切り替えれば、当初見積もりより単価が上がる可能性があります。
通常とは異なる地域や海外から調達すれば、輸送費、倉庫費、検査費も増えます。
2.設計変更と性能確認の費用
製品の厚さや施工方法が変われば、納まりの再検討、図面修正、サンプル確認、発注者承認が必要になる場合があります。
同等性能を満たすことを確認できなければ、安価な代替品でも使用できません。
3.作業員と協力会社の待機・再配置
資材が届かなければ、その工程を担当する作業員を別現場や別作業へ移す必要があります。
再配置できなければ待機コストが発生し、後日改めて人員を集める際には追加費用がかかる可能性があります。
4.仮設・現場管理費の長期化
工期が延びると、仮囲い、足場、クレーン、現場事務所、警備、光熱費、施工管理人員などの費用も長く発生します。
資材代が数百万円増えるより、現場全体が1カ月延びる方が利益への影響が大きいケースがあります。
5.引き渡し遅延と入金の後ろ倒し
完成・引き渡しが遅れれば、売上計上や工事代金の回収も後ろへずれる可能性があります。
契約内容によっては遅延に伴う負担や顧客対応も発生します。
つまり工程を守ることは、顧客との約束を守るだけでなく、予定していた完成工事総利益を守り、運転資金の滞留を防ぐ行為です。
メーカー切替・工程変更・前倒し発注は「無料の防災」ではない
ゼネコン各社は、代替資材、工程変更、前倒し発注、調達先の複数化を進めています。
いずれも工期を守る有効な方法ですが、それぞれにコストがあります。
代替資材は承認と施工習熟が必要
別メーカー品へ切り替えると、設計性能、認定、保証、施工要領を確認する必要があります。
現場作業員が使い慣れていない製品なら、施工速度や品質へ影響する可能性もあります。
工程変更は後工程の余裕を使う
入手できる資材を使う工程から先に進めれば、現場を完全に止めずに済みます。
一方、工程順序を入れ替えるほど人員配置や搬入経路が複雑になり、後半へ作業が集中する可能性があります。
工事前半の遅れを隠せても、最終盤に余裕がなくなれば別の問題が起きた時に吸収できません。
前倒し発注は在庫と資金を増やす
早く資材を確保すれば欠品リスクは下がりますが、支払いも早くなります。
保管場所、品質劣化、盗難・破損、仕様変更で使えなくなるリスクもあります。
旭化成建材は受注再開時、実需を上回る過度な発注や先行発注を控えるよう求めました。各社が一斉に在庫を積み増すと、必要以上の注文集中が供給不安を悪化させるためです。
複数調達は平時の購買効率と両立しにくい
発注を1社へ集約すれば価格交渉や品質管理を効率化できます。
反対に複数メーカーを認定しておけば、1社が止まっても切り替えやすくなりますが、少量発注による単価上昇、検査・管理負担が増える場合があります。
調達の強靱化は、最安値だけを追わず、平時から一定の余力に費用を払う経営判断です。
公共工事と民間工事では、追加費用を回収できる条件が違う
資材価格や調達経路が変わった場合、ゼネコンが追加費用を自社だけで負担するのか、発注者と分担できるのかで利益への影響は大きく変わります。
国土交通省は2026年6月16日、ナフサ由来の建設資材について、代替資材の調達や流通経路の見直しで追加費用が必要となる場合、設計変更で対応する運用を直轄工事に導入しました。
同日以降、既契約工事を含むすべての国土交通省直轄工事が対象です。
また、特定の工事材料が著しく値上がりした場合には「単品スライド条項」があります。国土交通省直轄工事では、対象となる材料価格の増加分のうち、対象工事費の1%を超える部分を発注者が負担する仕組みです。
ただし、仙台市役所は国土交通省の直轄工事ではありません。自治体の契約条項や発注者との個別協議がどのように適用されるか、今回の断熱材切替に伴う追加費用を誰が負担するかは、提供資料から確認できません。
民間工事ではさらに、契約方式や価格調整条項、発注者との交渉によって差が出ます。
固定価格契約で価格転嫁の仕組みが弱ければ、材料費と工期延長費をゼネコンが負担する可能性があります。
反対に、物価変動条項、コストプラス方式、設計変更に伴う追加契約を確保できれば、売上へ反映できます。
同じ受注高でも契約条件で利益の質が変わる
建設会社の受注高が増えていても、資材価格上昇を織り込めない案件が多ければ、数年後に低採算工事として利益を圧迫します。
投資家は受注金額だけでなく、会社が説明する「受注時採算」と、完成工事総利益率の方向を見る必要があります。
大林組は第1四半期営業利益2倍、建築利益率も改善
大林組の2027年3月期第1四半期は、国内建築・土木の手持ち工事が順調に進み、前年同期から大幅な増収増益となりました。
- 売上高:6,234.29億円、前年同期比19.0%増
- 営業利益:327億円、同107.0%増
- 経常利益:364.68億円、同98.2%増
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:390.91億円、同116.3%増
単体建築の完成工事高は2,579億円で、完成工事総利益は295億円でした。
完成工事総利益率は前年同期の9.5%から11.4%へ1.9ポイント改善しています。
単体の建築・土木を合わせた完成工事総利益率も、10.3%から11.9%へ上昇しました。
ただし、この利益改善を今回の断熱材切替の成果と結び付けることはできません。
会社は増益理由として、過去に工事損失引当金を計上した案件の多くが概ね竣工し、採算性の良い案件の寄与度が高まったことなどを挙げています。
資材供給への対応は、今後この改善基調を維持できるかという防衛面の論点です。
第1四半期好調でも通期営業利益は7.5%減益予想
大林組は2027年3月期通期について、売上高2兆9,450億円、営業利益1,800億円、純利益1,570億円を予想しています。
売上高は前期比13.9%増ですが、営業利益は7.5%減、純利益は9.6%減の計画です。
国内建築では工期終盤の工事が少なく、追加・変更工事の獲得や工事原価低減による利益改善効果が前期より小さくなると見込んでいます。
第1四半期の営業利益が2倍になったからといって、単純に4倍して通期利益を予測できない理由です。
会社は8月7日時点で通期予想を据え置いています。
中東情勢への対応が順調なら既存の利益計画を守る効果がありますが、それ自体が新たな増益材料として計上されるとは限りません。
大林組の強みは「安く買う力」より代替案を承認まで通す力
大林組は、国内建築事業の強みとして、営業、設計、調達、生産部門とグループ会社の協働、サプライチェーンを含む施工対応力、工程管理力を挙げています。
全国の協力会社で構成する大林組林友会の加盟企業数は約1,200社です。
こうしたネットワークは、供給不安時に別のメーカー、商社、施工会社から情報を集め、代替案を早く作るうえで役立つ可能性があります。
ただし、規模が大きければ自動的に利益を守れるわけではありません。
多数の大型現場を抱えるため、必要な資材量も大きく、複数現場で同じ品目が不足すれば影響額は拡大します。
また、鹿島建設、大成建設、清水建設など競合大手も、全国の調達網と設計・施工機能を持っています。
差が表れるのは、代替品を探した件数ではなく、次の一連の動きをどれだけ速く、追加損失を抑えて完了できるかです。
- 不足を早期に把握する
- 代替メーカーと在庫を確保する
- 性能・認定・納まりを検証する
- 発注者と費用・仕様を協議する
- 工程を組み替えて現場を止めない
大林組が持つ施工技術を完成後の維持費削減へつなげる事業構造については、過去記事「「4倍の耐用年数」は、単なる技術ではない。大林組(1802)が示すLCC削減戦略」でも整理しています。
今回の資材問題では、長寿命技術とは別に、工事中の不確実性を吸収する施工管理力が利益を守ることになります。
工期を守ったことは「上振れ利益」ではなく損失回避かもしれない
資材を切り替えて予定通り完成できれば、企業にとって重要な成果です。
しかし株式投資では、その成果がどの数字へ表れるかを分けて考える必要があります。
当初の工事利益を維持できただけなら、決算上は「特別な増益」として見えない可能性があります。
資材供給問題がなければ得られたはずの利益を守った、いわば下振れ回避だからです。
また、代替資材の追加費用を発注者へ全額転嫁できれば売上高は増える場合がありますが、同額の原価も増えるなら利益率は改善しません。
反対に価格転嫁できないまま緊急調達費だけが増えれば、売上は変わらず完成工事総利益率が下がります。
したがって「工期を守った」というニュースをそのまま株価上昇材料へ変換するのではなく、次の決算で利益率と工事損失引当金を確認する必要があります。
受注時採算の改善が利益になるまでには時間がかかる
大林組は8月の決算説明会で、足元の受注時採算が引き続き過去最高水準で推移していると説明しました。
一方、3~4年前に現在より低い採算で受注した工事も一定程度残っています。
建設会社では、現在の良好な受注条件がすぐ今四半期の利益になるわけではありません。
受注、着工、施工、完成まで数年かかるため、調達力と契約条件の改善が完成工事総利益率へ表れるまで時間差があります。
中東資材不安への強気シナリオが崩れる5つの条件
1.不足が設備機器や長納期品へ広がる
断熱材は代替メーカーを探せても、空調、受変電、昇降機、制御機器など設計との結び付きが強い設備で供給遅延が起きれば、切替にさらに時間がかかる可能性があります。
2.代替品が性能・認定条件を満たさない
断熱、防火、耐火、耐久性などの要件を満たせなければ、在庫がある製品でも使用できません。
承認に時間がかかれば、資材を確保しても工程を守れない場合があります。
3.発注者が追加費用を認めない
公共工事の制度があっても、すべての費用が自動的に補償されるわけではありません。
民間工事を含め、緊急調達、設計変更、工期延長の費用を回収できなければ、ゼネコンの利益率が低下します。
4.前倒し調達で運転資金が膨らむ
欠品を恐れて資材を早く買うほど、在庫と支払いが先行します。
複数の大型工事で同じ対応を行えば、損益計算書が好調でも営業キャッシュフローが悪化する可能性があります。
5.資材高で顧客が計画を延期する
ゼネコンが価格転嫁に成功しても、建設費が上がりすぎれば発注者が設備投資や再開発計画を延期する可能性があります。
短期的な採算改善と、中長期の受注需要は別に確認する必要があります。
次の決算で確認したい6つのKPI
1.単体建築の完成工事総利益率
2027年3月期第1四半期は11.4%、通期予想は13.0%です。
資材切替や工程変更の追加費用を吸収し、会社計画へ近づけるかを確認します。
2.工事損失引当金
会社は過去に引当金を計上した案件の多くが概ね竣工したと説明しています。
中東情勢や資材不足を理由とする新たな引当金が増えないかが重要です。
3.受注時採算と受注高
受注時採算は過去最高水準とされています。
高採算を維持しながら、通期連結受注高3兆1,000億円の計画を達成できるかを見ます。
4.追加・変更工事の獲得状況
代替資材や工程変更の費用を契約変更へ反映できれば、原価上昇を回収しやすくなります。
決算説明で価格転嫁や設計変更の進捗がどう説明されるかに注目です。
5.工事関連運転資金と営業キャッシュフロー
前倒し発注が増えると、未成工事支出金、工事代金債権・債務、現金収支に変化が表れる可能性があります。
利益と同時に現金回収が進んでいるかを確認します。
6.通期業績予想と工期遅延の開示
8月7日時点の通期営業利益予想は1,800億円で据え置かれています。
今後、中東情勢を理由とする大型工事の遅延、原価増加、業績予想修正が生じるかが最終的な確認点です。
まとめ|ゼネコンの調達力は「資材を安く買う力」から「工期を買う力」へ
中東情勢による資材供給不安を受け、大林組などの共同企業体は仙台市役所本庁舎の建て替え工事で断熱材メーカーを切り替えました。
国土交通省の8月調査では主要建設資材の需給は均衡していますが、これはすべての建材で供給問題が消えたことを意味しません。
現在のリスクは、石油化学由来の建材や特定の性能・認定が必要な製品が、個別工事の重要工程で不足することです。
今回の記事から得られる重要な理解は2つあります。
1つ目は、資材不足の利益影響が購入価格だけでは決まらないことです。
本当に大きなコストは、工程停止による人員待機、仮設費・現場管理費の長期化、設計変更、引き渡しと入金の遅れから生じる可能性があります。
2つ目は、調達先を増やせばリスクが無料で下がるわけではないことです。
複数メーカーの認定、前倒し在庫、設計変更、保管、資金負担へ平時から費用をかけ、その費用より工期遅延の回避価値が大きい場合に初めて強靱化が利益を守ります。
大林組の第1四半期は営業利益327億円と前年同期比で2倍になり、単体建築の完成工事総利益率も11.4%へ改善しました。
ただし増益の主因は、過去の低採算案件の一巡と採算性の良い案件の寄与です。断熱材切替は利益を新しく生む材料というより、この改善を崩さないための対応と考える方が適切です。
今後の焦点は、仙台市役所の1案件でメーカー変更に成功したかだけではありません。
複数の大型現場で同様の問題が起きても、代替品の性能確認、発注者との費用協議、工程変更を短期間で進め、完成工事総利益率13.0%の通期計画を維持できるかです。
良い調達とは、最も安い資材を選ぶことだけではありません。
必要な時に、要求性能を満たす資材を確保し、現場全体を止めず、追加費用を契約へ適切に反映することです。
中東不安が長期化するほど、ゼネコンの競争力は受注高や施工技術だけでなく、「工期を守るためにいくら払い、そのコストをどこまで回収できるか」という調達・契約管理力に表れると考えます。
主な参考資料
- 日本経済新聞「中東不安下のゼネコン、工期維持へ綱渡り 資材代替や工程変更で工夫」2026年8月30日
- 大林組「2027年3月期 第1四半期決算短信」2026年8月7日
- 大林組「2027年3月期 第1四半期決算説明会プレゼンテーション資料」
- 大林組「2027年3月期 第1四半期決算説明会における説明要旨と主な質疑応答」
- 大林組「大林グループの強み」
- 国土交通省「中東情勢に伴う建設産業分野における対応状況について」
- 国土交通省「中東情勢の変化による建設資材への影響に係る直轄工事の対応について」2026年6月16日
- 国土交通省「2026年8月の主要建設資材需給・価格動向調査」
- 旭化成建材「ネオマフォーム等の受注再開に関するお知らせ」2026年7月29日
- TOTO「中東地域の情勢悪化に伴う製品供給への影響について」2026年4月10日
- 仙台市「仙台市役所本庁舎建て替え事業」
- 仙台市役所本庁舎整備第1期工事 公式サイト
- GoldenEggs「『4倍の耐用年数』は、単なる技術ではない。大林組(1802)が示すLCC削減戦略」
あくまで個人的な見解であり、投資を勧めるものではありません。投資は自己責任で行ってください。
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